池袋サンシャイン水族館~空中回廊でペンギンと出会う~①
池袋で落ち着くようになってどのくらいの時間がたったのだろう。
新宿ではだった。巨大迷路のような駅構内で何だかひどく消耗してしまうのだ。
池袋のジュンク堂に行く。
ジュンク堂は東京芸術劇場の反対側、サンシャインシティがある東口からすぐだった。
一階から九階にエスカレーターでのぼり、九階からまたストークして一階まで下る。
そして一冊だけ本を購入する。そう選び抜かれた一冊だけなのだ。
その一冊を選ぶためにかなりの精神の集中が必要とされる。
また次の一週間までは本を買う事はできない。
週一のルーティンになっていた。
ジュンク堂で一冊の本の為に魂の格闘をした後に、わたしは憩いを求めてサンシャインシティへむかう。
サンシャイン通りを歩いているとやはり若者の街なのだと実感ができる。
あの立教大学だって駅を挟んで向こう側にあるし、いくつかの他の大学もある。
なんだったら目白の学習院大学から歩いて池袋に向かってるかもしれない。学習院なら高田馬場より池袋に来るのかもしれない。
サンシャインシティは大人びた印象で近寄りがたい雰囲気がある。
だけど違うのだ。サンシャインシティの一本手前にはあのオタクご用達のアニメイトがあり、シティのなかにも週刊少年ジャンプのキャラクターが集結した「J-WORLD」があるのだ。
この池袋のアキバ化がわたしを安心させた。わたしは存在する事を許可された、そう感じた。
プリンスホテルの横のワールドインポートマートビル1階から水族館行のエレベーターに乗り込む。
エレベータが明けると空中庭園だ。
わたしは年間パスポートを差し出し水族館に入場する。