【閉鎖間近】叡智とソフィア

レクレーションで創作活動中です!

悪夢(ナイトメア)の始まり

わたしは呪われた部屋に泊まってしまった。そこには闇が集積していたのだ。都会の大きなホテルには心霊スポットが出来てしまいがちなのだそうだ。ホテルの従業員は勘づいている者も多くその従業員の悪戯かもしくはただ不運のためなのか知らないがわたしはその一室に泊まってしまったのだ。

それから眠る度にわたしの夢のなかに悪魔があらわれて毎日ナイトメアをみるようになっている。

わたしはホテルでシャワーを浴びてひと眠りをした。

ひと眠りをして横を見ると大きな顔と長い鼻をした高齢の女性が立っていた。髪は黒く見えたが身体は動かなかった。

「動くなよ。あれは悪魔だ」

どこからか声が聞こえてくる。お前は呪われた部屋に泊まっている。行動を間違えたら明日の朝には死んでいるだろう。わたしの言う通りに動け。そうわたしに語りかけてくる。

ざわざわと胸が騒ぎ立つ。鳥肌が立ち、身体に冷たい空気が走ったようだった。

「この部屋からすぐに出ていかなければいけない。荷物をまとめてできるだけ早く退出しなさい」

「悪魔に気づかれないように今すぐ行きなさい」

わたしは朦朧とした頭で荷物をスーツケースにまとめ、ユニットバスにある洗面用具を回収するかしないか一瞬迷いながら、ドアを開け部屋を後にした。

そしてフロントに移動し、部屋の鍵を渡す。

「お預かりですか」と尋ねられ、はいそうですと答えて一目散にホテルから逃げ出した。

街並みには人通りがあったが、市内の中心部でまさか心霊体験をするとは思わず気が動転していた。